DXリテラシーとは?ITリテラシーとの違いを解説

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近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。

DXを推進する上で、「DXリテラシー」という言葉を耳にする機会も増えました。一方で、従来から「ITリテラシー」という言葉も存在し、この2つの違いがよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、あらゆる角度からDXリテラシーとITリテラシーの違いを解説していきますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください。
違いを知ることで、よりDXへの理解が深まり、効果的にDXを推進できるようになるでしょう。

DXリテラシーとITリテラシーの定義

まず、DXリテラシーとITリテラシーのそれぞれの定義を明確化します。

DXリテラシーの定義

DXリテラシーとは、デジタル技術を理解し、それを活用してビジネスを変革していく能力のことです。

DXの概念を正しく理解し推進するために必要な知識であり、企業の課題解決や新たな価値創造にデジタル技術を活用できる能力といえます。

また、経済産業省が令和4年に整備した「デジタルスキル標準」の中には「DXリテラシー標準」「DX推進スキル標準」の2種類がありますが、その中の「DXリテラシー標準」のことを指す場合もあります。

今回は紹介までに留めておき、先述の「DXの概念を正しく理解し推進するために必要な知識」とします。

DXリテラシー標準DXリテラシー標準とは、全てのビジネスパーソンが身につけるべきとされるDXにおけるマインドやスタンスのことを言います。
DXの加速で、社会変化が激しくなる中で新たな価値を創造するために必要となる基本的な心構えのようなものです。
DX推進スキル標準DX推進スキル標準とは、DXリテラシー標準とは違い、より具体的なDXを推進するために必要なスキルや知識のことを言います。
ビジネスアーキテクト、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ、デザイナー、ソフトウェアエンジニアの5種類の人材が挙げられており、全てのビジネスパーソンが必要なわけではありませんが、DXを推進する上で必要な人材です。DX推進スキル標準のことを知っておくと採用や教育の際に、ご自身の会社にどのような人材が足りていないのかがわかりやすくなります。

ITリテラシーの定義

ITリテラシーとは、コンピューターやソフトウェア、ネットワークといったIT技術を理解し、適切に活用する能力のことです。

例えば、パソコンの基本操作やインターネットの利用、情報セキュリティ対策などが挙げられます。

ITリテラシーは、さらに情報基礎リテラシー、コンピューターリテラシー、インターネットリテラシーの3つに分類できます。

情報基礎
リテラシー
情報の正確性を見極めるスキルや必要な情報を効率よく検索する能力のことです。例えば、インターネットで得た情報の真偽を判断したり、信頼できる情報源から情報を得たりする能力といったものが挙げられます。
コンピューターリテラシーパソコンやタブレット端末などのデジタル端末を正しく操作するスキルのことで、文書作成ソフトや表計算ソフトを使いこなしたり、ファイルの管理や整理を適切に行ったりする能力が含まれます。
インターネットリテラシーセキュリティやモラルを踏まえて、安全かつ適切にインターネットを利用する能力です。個人情報やプライバシーの保護、著作権の尊重、ネットいじめや誹謗中傷への対策など、責任あるインターネットの利用が求められます。

DXリテラシーとITリテラシーの目的と役割

DXリテラシーとITリテラシーは、どちらもデジタル技術を活用する能力という点で共通していますが、その目的と役割は異なります。

DXリテラシーの目的

DXリテラシーの目的は、企業がデジタル技術を活用して競争力を強化し、新たなビジネスモデルを創出することです。
IT技術の活用だけでなく、ビジネス戦略や顧客理解、データ分析などの幅広い知識やスキルを必要とします。

ITリテラシーの目的

ITリテラシーの目的は、IT技術を業務や日常生活で効率的に活用することです。そのため、ITリテラシーは、基本的なITスキルを習得し、業務の効率化やコミュニケーションの円滑化を図ることを目指します。

DXリテラシーとITリテラシーの必要性

現代社会において、DXリテラシーとITリテラシーはどちらも必要不可欠な能力となっています。

DXリテラシー

DXリテラシーは、企業がグローバルな競争に勝ち抜き、変化の激しい市場に対応するために必要です。 例えば小売業では、ECサイトの構築や顧客データ分析によるパーソナライズ化など、DX推進によって顧客体験を向上させ、競争力を強化しています。

従来のビジネスモデルに捉われず、デジタル技術を駆使して新たな価値を創造し、顧客に提供していくためには、DXリテラシーが不可欠です。

ITリテラシー

ITリテラシーは、あらゆる仕事で必要とされる基本的な能力です。 事務処理の効率化、情報共有、顧客とのコミュニケーションなど、ITツールを活用することで業務を円滑に進めることができます。

DXリテラシーとITリテラシーのスキル習得に必要な要素

DXリテラシーとITリテラシーを習得するためには、それぞれ異なる要素が必要です。

DXリテラシー

DXリテラシーには、IT技術に関する知識だけでなく、ビジネスに関する知識や、データ分析力、問題解決能力、コミュニケーション能力など、幅広いスキルが必要です。

また、DX推進には、組織文化や従業員の意識改革も重要となるため、リーダーシップや変革推進力なども求められます。これらのスキルを習得するためには、研修やセミナーに参加したり、書籍やオンライン教材で学習したりするだけでなく、実際の業務を通して経験を積むことが重要です。

ITリテラシー

ITリテラシーには、パソコンの基本操作、ソフトウェアの利用方法、インターネットの活用方法、情報セキュリティに関する知識などが必要です。

これらのスキルは、パソコン教室やオンライン学習サイトなどで学ぶことができます。 また、企業によっては、社員研修などでITリテラシー教育を実施している場合もあります。

DXリテラシーとITリテラシーの関係性

DXリテラシーとITリテラシーは、それぞれ異なる能力ですが、密接な関係にあります。

ITリテラシーは、DXリテラシーの基礎となる能力といえます。 DXを推進するためには、まずIT技術を理解し、活用できることが前提となります。

DXリテラシーは、このITリテラシーに加えて、ビジネス戦略や顧客理解、データ分析などのスキルを身につけることで高めることができます。

まとめ

DXリテラシーとITリテラシーは、どちらもデジタル技術を活用する能力ですが、その目的や役割、必要となるスキルは異なります。

ITリテラシーはDXリテラシーの基礎となるものであり、デジタルリテラシーの一部として位置付けられます。

一方でDXリテラシーは、ITリテラシーに加えて、ビジネス戦略や顧客理解、データ分析などのスキルを必要とし、企業の変革を推進するための能力です。

ITリテラシーだけでなくDXリテラシーを身につけることで、デジタル社会の変化の中でも競争力を維持し、優位性を保てるでしょう。